クレイグ・ウィリアム・マクニール監督、米、113分。
19世紀末に米で起こったリジー・ボーデン事件の映画化。邦題やポスターを見ると猟奇・ホラー映画としか見えない。原題は単に主人公の名Lizzieで、ポスターも主要な二人の女が写っているだけのものである。
有名な事件なので何度も映像化、舞台化、本のネタ等にされてきた。クリスティーナ・リッチがやったテレビ映画もあり、これも邦題にモンスターという言葉が使われていた。原題もモンスターとなっているのは全く別の話の、シャーリーズ・セロンとクリスティーナ・リッチが出ていた映画である。配給会社の売らんかなは分かるが、モンスターという邦題で売れるのだろうか。
先に書いたように犯罪実録映画である。19世紀終わり頃、日清戦争より少し前の時代、米マサチューセッツ州で裕福な家の老夫婦が殺害された。容疑は娘のリジーにかかり裁判になった。
何でもアメリカで本事件は、イギリスで言えば切り裂きジャックなみに有名らしい。日本で言えば津山事件(1938)がそれに近いか。
だからアメリカ人にとってはあの有名な事件をどう映画化したかの関心だろう。
古い事件なので、登場人物の名は実名を使っている。事件の真相の部分はこの映画の創作だろうが、できるだけ事実を取り入れている。鳩を残酷な目に会わす場面が出てくるが、実際にもあった。ただ理由は映画と事実では異なるようだ。
映画としては、これも創作であろう、主人公と召使いの間に焦点をあて、その関係を追っているところが中心か。
実際の事件を基にした映画は、創作にない迫力がある。もっとも実録と知っていての話だが。
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