曲谷守平監督、新東宝、83分、白黒映画。
岩手県の山奥。二人の若者が老婆を捕まえるところから映画は始まる。派出所へ連れていこうとしたが、途中で老婆は逃げてしまう。警察署で若者は話す。東京から来た娘二人と遊んでいた。気味の悪い老婆がこちらを見ている。そのうち若い娘はいなくなった。犯人は老婆だろうと思いひっとらえた、と。
若い警察官を菅原文太が演じる。因習的な山奥の部落では十年に一度の祭りというか儀式が行なわれる。神社にいる、先生と呼ばれる沼田曜一は、その祭りの際には山から下りろと言われているのに肯んじえない。沼田を慕う若い娘や、万が一に備えるという菅原の頼みにもきかない。そのため沼田は最後に村落民からひどい目に会わされる。
その前に沼田や菅原は部落に代々伝わる多数の刀、あるいは白骨を見つける。調べてわかったのは、部落では十年に一回の祭りで刀を作る。それに処女の血を入れる。失踪した東京の女たちはその犠牲になり、殺されたのである。しかし血が不純で新しい女が必要になる。沼田を慕う娘が候補になったが、その親と称する老婆は、女を捕まえてくると言って、山を下り村に行く。警察署の娘で、菅原の恋人の女が攫われた。警察一行は娘を取り返しに山に登り部落に向かう。
警官隊を迎えるべく、部落民たちは矢や落石で攻撃する。警官隊の銃と部落民の矢での戦闘になる。最後は所長の娘を助け、部落の長は自殺する。
昔の片田舎であれば、迷信がはびこり、こんな儀式も行なわれていた、とこういう映画を作れたのであろう。警官隊と部落民の壮絶な戦いは、いくら昔でもあったのかと思わせるが、そこが新東宝の映画ならでは、である。
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