2024年7月7日日曜日

牧逸馬の世界怪奇実話 島田荘司・編     光文社文庫 2003

牧逸馬が『世界怪奇実話』を中央公論に連載したのは昭和4年10月号から昭和8年3月号までである。

いわゆる実録物で、犯罪から著名または不思議な事件、事故を対象としている。光文社文庫に収録されている話は以下の通り。「女体を料理する男」「肉屋に化けた人鬼」「海妖」「運命のSOS」「ウンベルト夫人の財産」「女郎蜘蛛」「土から手が」「生きている戦死者」「浴槽の花嫁」が入っている。

この光文社文庫版では元の題名が分かりにくいので、編者が中身が分かる題名にし直し、元の題は副題としている。『世界怪奇実話』は他に河出文庫で『世界怪奇残酷実話』として選集が出ている。河出版では光文社文庫に入っていない話として「チャアリイは何処にいる」「都会の類人猿」がある。逆に河出版に入っていないが、光文社文庫に入っている作品が「女郎蜘蛛」「土から手が」「生きている戦死者」である。河出版では松本清張が解説を書いている。牧逸馬に触発されて犯罪実録ものを書いたとある。

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