哲学者中島義道による日本人の英語観、英語に対する劣等感を論じた著。
所収の文章が時間をおいて執筆されているため、その間の日本人の外国人観、英語観の変化がある。まずかつての英語に対する劣等感では、英語中心を疑わない傲慢な外国人、それに迎合する日本人の卑屈な態度等が語られる。このような英語に対する劣等感はなぜ生じたか。英語を母語とする外国人、つまり英米人の身体が日本人より遥かに勝り、美しいという外見上の相違がある、という点が指摘される。劣等感の克服はどうしたらできるのか。それは劣等感にまず向き合うべきと主張する。更に時代を経た論考では、現代の若者は欧米に対するかつてのような劣等感は持っていないと観察する。その後は著者自身のこれまでの外国語、英語に限らずドイツ語ほかを含めて、どう関わってきたか、勉強してきたかの体験談である。
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