E.T.A.ホフマンの長篇小説。カプチン会の修道士メダルドゥスの遺稿という形をとる幻想小説。怪奇小説と言ってもいいかもしれない。
修道院の若いメダルドゥスは聖遺物等の監督を任命される。その中にあったのが題名の悪魔の美酒である。これを一口飲めば精神が活発化し昂揚する。メダルドゥスはローマの法皇のもとへ派遣される。途中で滞在した男爵家。ここで主人公は美しいアウレーリエ、誘惑的なオイフェーミエのような女のほか、ヴィトクリン伯爵というメダルドゥスに酷似の男に出会う。伯爵は邪悪な人間で、メダルドゥスは崖から落下させる。メダルドゥスは逃げる。その身を偽り、山林官の家に厄介になったりする。殺人についての噂を聞くが、誰もメダルドゥスを犯人と思っていない。この後、メダルドゥスの正体が知れたとして犯人視されるが、誤解であったとなる。
ローマに着き法皇に謁見する。ローマの総本山も堕落している。かつて修道院で上にいた僧に会い驚く。メダルドゥスは罪を逃れたが、上司の僧は処刑される。メダルドゥスは修道院に戻る。以前の愛し焦がれた女との再会がある。小説はメダルドゥスの死まで描く。
本の最初にメダルドゥスの系譜とあるが、小説のほとんどは下の方、2,3行の登場人物で進む。小説の後半の章になって系譜全体の経緯が説明される。
0 件のコメント:
コメントを投稿