2020年10月9日金曜日

丸谷才一『文学のレッスン』 2010

 


丸谷才一による文学評論。元編集者が聞き手になり、丸谷が答えるという形式。丸谷は文学を形式的に論じるのもいい趣向と考え、この書の対談(主に丸谷の発言)になった。目次は次の通り。

【短篇小説】もしも雑誌がなかったら/【長篇小説】どこからきてどこへゆくのか/【伝記・自伝】伝記はなぜイギリスで繁栄したか/【歴史】物語を読むように歴史を読む/【批評】学問とエッセイの重なるところ/【エッセイ】定義に挑戦するもの/【戯曲】芝居には色気が大事だ/【詩】詩は酒の肴になる

丸谷の意見は面白く、読んでいて楽しく勉強になる。もちろん何でも賛成でなく、そういう理解もあるのかと思うところが多い。思うに文学への態度、理解に正解はないはずだから、別の見解を聞くのは面白い。何か役に立つというより(そういう面はあるが)、同好の士の意見を聞いている感じがまずする。

新潮選書、2017

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