セザール・ビロトーは主人公の香水商で、区の助役といった公職にもついている。真面目な商人で自分の発明した香水によって事業は順調であった。妻と娘にも恵まれた。
しかし事業の拡張、不動産取引を計画し、それに伴い舞踏会を開き大勢の者を招く。客観的にこのような手の広げ過ぎが仇になった。また馘にした店員が深くビロトーを恨み、自分で事業を始めた後に、ビロトーが失脚するよう画策する。
ビロトーは借金が嵩み、しかも自分が貸していた公証人が逃げてしまう。破産に向かって事態が悪化し、遂に破産する。
店員のうち真面目な男がいてビロトーの娘と相思の間柄だった。この男は独立し別の場所で店を始めていた。その男とビロトーの義父が破産した香水商を助けるため奔走する。なんとかして借金を返して元通りにしようとする。彼らの努力が実りビロトーは元の地位を取り戻すが、最後の展開になる。
当時の経済取引の実態に基づき、ビロトーの盛衰を描いた小説である。
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