中村登監督、松竹、99分、総天然色映画。松本清張原作の映画化である。
検事になり立ての青年と恋に落ちた人妻は、夫に構ってもらえず寂しい日々を送っていた。単なる不倫ではない。相手の検事が汚職で追っていた容疑者の一人が、妻の夫だったのである。妻は何度も離婚を頼んでいたが夫は相手にしない。
夫は妻の目の前で、妾を優先しているくせに、自分の妻が浮気したらしく分かると、執拗に調べその証拠を集め出す。相手が担当検事と突き止める。自分が容疑者として捕まると、弁護士を通じて、検事が不倫をしていると検察側を追求し、検事の名や写真が新聞にでかでかと載る。検事は辞職した。妻は捕まっている夫に会いに行った。好きなようにすればよいと言われる。元検事は妻に向かい二人でどこか誰も知らない所へ行こうと誘う。東京駅で待っていたが妻は来ない。妻は甲州へ行く列車に新宿から乗っていた。以前教えてもらった富士山麓の樹海に行くため、そこへ入れば誰も出られない場所と聞いていたところへ。
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