2017年11月15日水曜日

母の地圖 昭和17年



島津保次郎監督、東宝映画。杉村春子、原節子、花井蘭子ほか出演。
戦時下、男がいなくなる中、年老いた母を面倒みようとする原が恋愛で悩む。

浅間山が見える田舎の旧家が売りに出される。一家挙げて東京へ。家を手放し慣れない土地の生活を不安視する母の杉村春子、原のすぐ上の姉、花井蘭子は病気がち。兄は二人いて長男はまともな仕事をする気がなく、一攫千金を夢みる。満洲での新事業をやれば儲かる、そのため3万円の資金が必要ということで家族を説得する。次男は反対である。最後に母は許可する。これで残っていた現金はほとんどなくなってしまった。次男には召集令状が来て出征する。

原には相思の人がいた。森雅之で、満洲の新京へ転勤する話がある。原についてきてくれないかと言うが、家族を考えると無理な相談である。
長兄から手紙が来る。期待していた事業は失敗、新事業のためもう3千円送って欲しいと言う。杉村も最初は送る気がなかったが、考え直し送る。これで家計はますます逼迫する。母の杉村だけでなく、病気の花井も、妹だけに仕事をさせるわけにいかないとして、内職を始める。無理がたたり病気がひどくなる。
後に長兄から連絡がある。今度は心を入れ替え一所懸命頑張っているという。母や原も幸せになる。

原は会社で偶然、専務の息子に出会う。相手はすっかり原が気に入る。求婚される。即答はできない。姉の病気の世話や母を思うと、婚約者がいるからと即座に断れない。森に相談する。彼は自分が専務の家に行って話をつけてくると言う。実際に行ってみると相手や母の対応、姉もすぐ療養所に入れられると言われ切り出せない。
森は原に告げず、一人満洲へ旅立つ。彼女あて専務の家人はいい人だという手紙を残して。

母と原で病気の花井の世話をする。しかし亡くなる。
夜、電報が来て起こされる。長兄から子供誕生の知らせであった。男の子で万歳とある。母は満州の地図を見る。原に満洲へ行こうと言う。孫の世話ができるし、原も新京に恋人がいると言って。最後は満洲行き船に乗るため列車で西へ向かう杉村と原の場面。

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