伯爵夫人の手術がある。その模様を参観している画家が語る。伯爵夫人は麻酔をなんとしても拒む。周囲の者が説得しても無駄である。うわ言で何か言うのを恐れているのである。手術をする医師の名を確認する。実は元から知り合い以上の仲だったのである。夫人は自分を知らないだろうと言うが、医師は知っていると答える。手術で夫人は死ぬ。
後半の部分は昔に戻る。医師がまだ若かった頃、後の伯爵夫人に小石川植物園で会った。それから詳述はないが、二人は相思となり、またこれも明示的に書いていないが、医師は手術で夫人が死んだ後、自殺した模様。本編は短編だが、泉鏡花の代表作の一とされている。
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