政治学者の丸山眞男が書いた書簡を集めている。全5巻で、この第1集には津田左右吉あての昭和15年6月21日付け書簡から始まり、昭和48年12月16日付けの書簡まで171通を収める。
終戦までの書簡は6通。昭和21、23、24年の書簡は一通もない。丸山は昭和46年に定年まで5年を残し、東大を辞職している。書簡から学園紛争の心労が影響していると分かる。丸山は自伝を書いていないが、この書簡集は、自伝のある程度の代わりとなりうる。ドストエフスキーの書簡がそう読まれているように。
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