2021年8月19日木曜日

救命艇 Lifeboat 1944

ヒッチコック監督、米、96分。

制作当時と同じく戦争中で、客船が独潜水艦に撃沈され、救命艇に乗った人物たちによる劇。舞台は救命艇の上だけである。まず婦人の記録作家が乗っている。次々と他の者たちが救助され乗りこんで来る。ここでドイツ人が乗ってくる。明らかに攻撃した潜水艦の乗組員で、拒否反応を示し海に放り込めと言う者がいるが、捕虜として扱う。舟の上なので縛るわけでもない。この男が医師と分かり、足の切断が必要になった男の切断手術をする。

映画の後半ではこのドイツ人が主導権を握るようになり、逆に他の連合国側の者が捕虜になる。独軍に引き渡すべく舟を漕いでいくが、最後は阻止する。映画は戦争中に制作、公表されたので、米軍人に評判が悪かったという。なぜなら登場人物のうちドイツ人が卑劣だが、有能のように描かれているからだったという。ヒッチコックは実際に戦争当初はドイツ軍が連合国軍より勝っていたからだと『映画術』で言っている。

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