2021年6月17日木曜日

戦火の大地 Радуга 1944

マルク・ドンスコイ監督、ソ連(キエフ撮影所)90分。

ウクライナのある村、ドイツ軍に占領され、その管理下におかれている。村の姉妹で姉はドイツ軍将校の情人となっている。妹は姉を軽蔑している。ある女が帰ってくる。今までパルチザンにいた。出産のために戻って来たのである。ドイツ軍は女にパルチザンの居場所を言えと命令するが答えない。拷問し牢屋に入れる。その女に食事を運ぼうと子供が志願する。子供は見つかり射殺される。子供の家族は死体を家に持って帰り、家の地面に埋める。ドイツ軍は子供の死体を捜すが見つからないので各家庭に押しかける。元パルチザンの女は出産する。ドイツ軍は赤ん坊に銃を突き付け、居場所を言えと命令する。答えがないので射殺する。女も崖か落とされ死ぬ。

最後にパルチザンがやって来る。ドイツ軍をけちらし、多くを殺し捕虜を生け捕る。あのドイツ軍将校の情人も、村の開放に来た実際の夫が殺す。村人たちは捕虜を殺そうと押しかけるが、女の一人が叫び止める。簡単に殺してなるものか。自分自身を、またその家族にも徹底的に恥ずかしいと思う目に会わせずにはおかないと。

まだ戦争中に製作され、徹底的にドイツ軍を悪魔と描き、復讐を当然するとする視点からの映画である。これほどまでに戦時中の心境を露わにした映画も少なかろう。

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