2018年3月13日火曜日

逆噴射家族 昭和59年



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石井聰互監督、ディレクターズ・カンパニー=国際放映=ATG製作、総天然色。

一家のためにマイホームを建てたサラリーマン、しかしその父親が同居してから狂い出す。
サラリーマンは、妻(倍賞美津子)と子供(息子と娘)と共に、念願の一戸建てマイホームへ引っ越す。

夢が叶って、病気と思われる家族みんなの治療にもなると期待する。彼の父(植木等)が九州から上京し同居を始める。最初は面白い爺さんと家族も思っていた。しかし傍若無人な振る舞いをしだす。しかも一時的でなく、この家に居を落ち着けるつもりとわかる。彼に部屋を取られた倍賞は娘(工藤夕貴)と同室になる。工藤は芸能人のオーディションを控え不満を言い始める。それ以上に大学受験の勉強中の息子は、部屋に引きこもりの生活をしており、うるさいと文句たらたらである。

板挟みになったサラリーマンの夫は、会社を休み、地下室を作ってそこを植木の部屋にしようと思い付き、さっそく実行する。居間の床をはがし、地面を掘り始める。植木も手伝う。呆れる賠償と工藤。最後は掘っているうちに水道管を壊し、水が溢れ出る。
夜、食堂に家族を集めた夫。みんなにコーヒーを勧める。植木が飲むと吐き出す。毒を入れて「頭のおかしい」家族をひと思いに殺す気でいたらしい。これを聞くと植木は息子に向かって、頭がおかしいのはお前だと叫ぶ。他の家族も同調する。賠償は狂った家系だと言いだす。家族の間で格闘が始まる。ガス爆発が起き火事になる。

日が明けて、食事ではみんなは正常に食っているように見える。夫はこの家を壊そうと言いだす。工藤以外は賛成し、みんなで家を壊し始める。崩落する家。
その後、高速道路の下、戸外で生活する家族が映し出される。

題名の元になった日航逆噴射事故は、この映画の2年前である。日本映画で、ここまで滅茶苦茶な展開となるものは少ないだろう。

フィルムセンターの石井岳龍(聰互からの改名)特集の上映で、石井監督からの挨拶があった。監督の要望でスピーカーをスクリーン横に設置し、かなり大きな音での上映。正直うるさいと思ったくらいである。

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