2018年3月2日金曜日

松原隆彦『目に見える世界は幻想か?』光文社新書 2017

目に見える世界は幻想か?~物理学の思考法~ (光文社新書)



物理学の入門書である。まえがき等で述べているように、文系など物理が苦手な読者を対象としている。

最初の方は、物理学を難しいし関係ないと思っている学生に対しての反論にページを割いている。物理を縁のないと思っている者は最初からこんな本を読まないと思うから、必要ない記述ではないかと思った。
ただし、物理学の基本についてはわかりやすく説明してある。単に入門的事項を述べるだけでなく、進んだ話題について啓発される書物である。内容構成は以下のとおり。

1  物理学の目的とは何か、第2  天上世界と地上世界は同じもの、は入門的事項である。第3  すべては原子で作られている、から中身のある説明に入る。第4  微小な世界へ分け入る、第5  奇妙な量子の世界、までで量子力学の説明になっている。第6 時間と空間の物理学、第7  時空間が生み出す重力、は相対論の話、第8  物理学の向かう先、が終章である。

物理学の入門書は多くある。その中でも本書は、その存在意義を十分主張できる。優れた解説書である。

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