ウディ・アレン監督の米映画。
無気力な大学教授が義憤から殺人を犯すが、その後困った事態になるという映画。
田舎の大学に転任してきた哲学の教授。彼は生きている目的がわからず、無気力に陥っている。いつ死んでも悔いがないという。
この教授に女子学生が惹かれる。教授と彼女が食堂にいる時、背中合わせの隣席から会話が聞こえてくる。女が自分の子供を裁判で取られそうになる。判事が悪者でその犠牲になっているという話をしている。
それを聞いた教授は俄然発奮し、そのような悪徳判事は、死ぬべきである、自分が実行し、世の中から悪をなくそうという使命感に燃える。生きがいができ充実した毎日になる。
その殺人は実行される。教授が期待したように全く縁のない彼に、嫌疑がかかるはずもない。ただいろいろな状況から女子学生が怪しみだす。教授に問いただし、彼は罪を白状する。しかしむしろ正義を実行したつもりの教授は全く反省しない。ところが別の者が容疑者として逮捕され有罪になりそうになる。女子学生は教授に自首を迫る。教授は約束する。しかし欧州へ情人と引っ越す予定がたっていた。邪魔になった女子学生を消そうとする。しかし人を呪わば穴二つのたとえとおり、自分が誤って事故死してしまう。
すぐにわかるのはドストエフスキーの『罪と罰』を下敷きにしているというか、その戯画化である。教授自身にロシヤ文学が好きで特にドストエフスキーと言わせている。
自首を勧める女子学生はソーニャだろう。
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