2018年3月20日火曜日

デュラス『モデラート・カンタービレ』 Moderato Cantabile 田中倫郎訳河出文庫


 モデラート・カンタービレ (河出文庫)
原作は1958年刊行。
人妻と工員の酒場での出会い、その間の感情を描く。

上流階級に属する婦人は、息子である少年にピアノを習わせている。彼はなかなか先生の言うことを聞かず、手を焼かせている。練習の最中、近くで何かが起きたらしく騒がしくなる。後から若い女が男に殺された事件と知る。
婦人は少年を連れて散歩に行き、酒場に入る。少年が近くで遊んでいるうち、婦人は酒を頼む。

工員の男がいて会話を交わすようになる。殺人事件のことを話題にする。工員は彼女の邸を知っていた。その酒場に通うようになる。必ず工員と話す。酒場で目立つ存在になる。
例の事件で女は男に殺されたがっていた、というような推測をする。この二人の仲はどうなるのか、と興味をもって読み進められる。

いかにもフランスらしい小説と言えるだろう。映画化もされたらしい。仏映画にふさわしい話である。

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