原著は2003年に出版された。元アメリカ・ファースト・レディ、上院議員で大統領候補だったヒラリー・クリントンの出生から、ニューヨーク上院議員に当選するまでの自叙伝である。
1947年、米中西部で生まれ育つ。いわゆる良き時代のアメリカで成長したわけである。女子大の後、イェール大ロースクールに進み、そこで将来の夫クリントンに会う。大学卒業後は弁護士として働く。クリントンから長い間求婚されていてようやく承諾する。政治活動はかなり若いうちから従事していた。
政治活動の記録が大半を占める印象である。クリントンは州知事の後、大統領になった。その間、夫を助け政治の渦中にいた。本書は、ホワイト・ハウスの実態の他、ファースト・レディたるもの、どうあるべきか、過去はどうであったかが語られ、その辺は特に面白い。娘の養育に関する話など女性ならではの記述だろう。
自分は政治に疎いので、書中盛んに言及されるホワイトウォーター事件なるものは知らなかった。もちろんモニカ・ルウィンスキーは知っていたが。
どうしても現職の政治家である。当然ながら本書で語られる視点はクリントン側からのものである。共和党から言えばかなり書き方、評価が変わってくるだろう。
それにしてもクリントン大統領の2期、またニューヨークの上院議員当選などヒラリー・クリントンの最も政治的に恵まれていた時期の記録であり、彼女の成功物語になっている。
0 件のコメント:
コメントを投稿