2018年3月23日金曜日

大栗博司『超弦理論入門』講談社ブルーバックス 2013


 大栗先生の超弦理論入門 (ブルーバックス)
いわゆる超弦理論、以前は超ひも理論と言われることが多かった、物理の最新(といっても数十年の歴史があるが)の考え方についての解説書である。

個人的には超弦理論は、宇宙の始まりの説明としての理論かと考えていた。しかし、超弦理論は物質の本源的な在り方を考える理論、と説明してある。物質の本源的な在り方であるから、宇宙の始まりにつながるわけである。

現代物理学の課題が、一般相対性理論と量子力学の統合にあるという点は周知であろう。超弦理論はそれを果たすことが期待されている。今のところ唯一の理論だそうだ。物質を作っているのは粒子でなく、何か紐のようなもの、と考える。また超弦理論は空間や時間を考える理論でもある。相対性理論では空間や時間が伸び縮みすることはあっても、その存在自体は前提としていた。超弦理論では空間等もそれ自体が何かより根源的なものから作られており、空間は幻想ではないかと言いだす。空間の次元が変化してしまうという過程が発見された。

このように常識では理解しにくい超弦理論の入門書である。素人が一読しただけでは十分な理解は難しいが、ごまかしなく書いてあると言っており、熟読したい著書である。

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