2018年3月15日木曜日

ユメノ銀河 平成9年



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石井聰互監督、ケイエスエス製作、白黒映画。
夢野久作原作を元にした、連続殺人犯とそれを知りながらつき合う女同僚の話。

昭和の田舎町が舞台。バスの女車掌が主人公。自分の仕事にうんざりしている。ある日、踏切で、バスから降りて左右を確認した時、線路に寝ている男がいて驚く。汽車が近づく。男は轢かれずにすんだ。車掌にはその男が記憶に残る。
友人に手紙を書く。車掌なんか面白くない仕事だからやるなと忠告する。

後、その友人が車掌になり、バスで事故死したと知らせが入る。赴くと、運転手は婚約者で事故後辞職し、姿を消したそうだ。亡くなった友人と婚約者の写真を見せてもらう。実はその運転手は過去にも婚約者を殺害していた疑いがあると知らされる。

主人公の勤めるバス会社に新しい運転手が来る。見るとあの友人の婚約者だった男である。どうしても男は連続殺人鬼にしか思えない。彼女は友人の仇を取ると決心する。しかし男と一緒に仕事をしていくうち惹かれるようになる。相手が殺人鬼かもしれないので、命がけの恋だと感じている。踏切で汽車が来ることがわかっていても発車オーライといい、事故を起こす。男は亡くなった。女は生き延びた。最後の場面で彼女のお腹に赤ん坊がいることを知らされる。

危険な男に惹かれる、という心理は一般論としてわかるが、少し話の運びに無理がある。男が連続殺人犯という確たる証拠はない。ただ思い込みだけである。また仇をうつと言うが、どういう方法でやるつもりだったのか。警察に通報するのが普通ではないか。

昔の時代の再現は白黒のせいもあり、結構うまくいっているように見えた。ただ昭和20年代末という設定らしいが、30年代中期の方がふさわしい気がした。なぜかというと、映像の世間が落ち着いて見えるからである。

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