文豪、文士たちによる、映画についての文章を集めたもの。以下の作家たちが収められている。
阿川弘之、安部公房、池波正太郎、伊藤整、井上ひさし、井上靖、色川武大、内田百閒、江戸川乱歩、遠藤周作、大岡昇平、開高健、川端康成、岸田國士、五味康祐、今日出海、佐藤春夫、獅子文六、司馬遼太郎、柴田錬三郎、高見順、高村光太郎、太宰治、谷崎潤一郎、檀一雄、寺山修司、永井荷風、林芙美子、福永武彦、藤本義一、松本清張、三島由紀夫、吉行淳之介。
複数の文が入っている作家が結構ある。高見、林、柴田、三島ほか。上記の有名作家が映画について何を言っているのか、という興味から読める。
時代的には、大正時代の『カリガリ博士』への、本邦公開時の谷崎や佐藤の評から昭和の終わりまで。内容は、特定の映画に対する感想から、有名監督との会談、文学との比較、映画論になっているものまである。
感想としては、有名な作家が書いているから読めるといったものから、書かれた内容に感心するもの、あんまり納得できない主張まである。
遠藤周作が映画は映像(イマージュ)だと言っているところは個人的に面白かった。映画はいろんな楽しみ方、接近がありうると思うが、単に羅列するだけでなく自分なりの意見の主張は良い。
文中言及されている映画の、2行程度の解説が各文章末にあるのは親切である。
映画と文学双方に関心のある向きは読んで損はない。
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