2018年3月5日月曜日

浮草 昭和34年



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小津安二郎監督、大映映画、総天然色映画。
小津自身の昭和9年の無声映画、『浮草物語』の再映画化。

中村雁治郎が座長を勤める旅回りの一座は三重の田舎町にやってくる。何度目かの興行である。中村は杉村春子の経営する食堂にやって来てくつろぐ。その息子川口浩は二人の子供であった。しかし川口には伯父さんと思わせている。
中村の現在の妻である京マチ子は、夫が足繫く通う先が気になる。座の古い仲間に尋ねる。杉村が元の相手であったと知る。その食堂に来て川口の存在を知る。座の若い役者の若尾文子に川口を誘惑するよう京は指示する。

若尾と川口は相思の仲になる。若尾は川口に元々は京の命令だと告白するが川口は気にしない。とうとう二人は駆け落ちしようとする。
二人の仲を知った中村は京の企みと知り、暴力をふるうまでになる。
座の入りが悪いのに、なかなかここを動こうとしない座長の態度に、一座の若い者は納得できない。その中の一人三井弘次は一座のカネを持ち逃げする。一座は解散するしかない。

川口と若尾は駆け落ちするが、やはり気になり元の杉村のところへ戻る。中村は一座解散でこれから杉村の家に落ち着こうと思っていた。
その時、川口が若尾を連れて戻ってくる。激昂した中村は若尾を叩く。止めに入る川口に、杉村は中村がお前の父親だと告げる。川口は腹を立て都合のいい時に父親を名乗る者なんかいらないと言い、二階に上がる。中村も反省し杉村に若尾のことも頼み、自分はまた旅に出ると言い去る。川口を若尾が説得し、中村を追うがいない。
中村は駅で切符を買っていると京に会う。二人はまたやり直すつもりで汽車に乗る。

元々の映画『浮草物語』は昭和初期で旅芸人一座もそれなりにあったかもしれない。しかしこの映画では製作2年前の昭和32年の時代設定になっている。正直いってもうその時期、旅芸人などどの程度あったのか、需要も期待できたのかなどと思ってしまうのである。

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