2020年9月29日火曜日

姉妹 昭和30年

 家城巳代治監督、独立プロ、100分、白黒、野添ひとみ、中原ひとみ主演。

野添と中原は姉妹、姉の野添は高校生、妹は中学生である。今は学校に通うため、町の親戚の家に住んでいる。両親は山中の発電所の社宅に住む。中原は何でも率直に意見を言い、行動する。姉の野添がたしなめる役である。映画は素直過ぎる中原の考えがなぜ実現できないかを問うように進む。

野添には好きな男がいる。発電所に勤めている。姉妹の知りあいの若い女が不幸な暮らしをしているので、その家に助けに行く。喜んでいる両親の前で、帰宅した若い女は姉妹にもう来てくれるなと言う。その一家は結核に感染していたからだ。

正月には山の両親の元に行く。戻ってみると、世話になっている親戚では伯父が賭博で捕まったりして、町の生活も安泰でない。姉に結婚話が持ち上がる。姉は好きな人がいるのに、親の勧める条件のいい相手との結婚を承諾する。中原は野添を問い詰める。また相手の男のところへ行くがその男も頑丈な嫁を考えているとしか言わない。中原自身も高校へ進学するようになった。修学旅行へ行く予定だった。父は、金に全く余裕がないわけではないが、仲間が整理の対象になっているので娘を修学旅行に行かせる気にならないと言う。中原も受け入れる。野添の結婚の日、中原は姉と話し、何かあれば自分は駆けつけると告げる。バスに乗って去る花嫁姿の姉を中原は走って追う。

映画制作当時の社会の問題、意識がよく出ている。

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