ハンス・カール・ブレスラウアー監督、オーストリア:ヴァルタースキルヒェン&ビトナー/モンディアル、91分、無声映画。
架空の国の設定で、ユダヤ人を追い出したらどうなったか、それが元に戻る話。
第一次世界大戦後のオーストリア、ウィーンを思わせる町。戦後の経済の混乱、失業の高まりで人々の間にはユダヤ人が元凶だ、ユダヤ人を追い出せという声が高くなる。
首相は暴動等の防止のために、ユダヤ人追放の法令を提出し、議決される。ユダヤ人は国を出ていかざるをえなくなる。首相の娘の婚約者もユダヤ人であったため、国外に出た。
為替は暴落し、経済は混乱に陥る。フランス人と称する男がやって来て、ユダヤ人を元に戻すよう奔走する。最終的にはユダヤ人は帰って来られるようになる。フランス人とは娘の婚約者が化けていたのである。通貨も上昇し経済は回復する。
比較的最近発見され、復元された映画である。上映の初めにこの復元に関わった、オーストリアの映画アーカイヴに勤める女性の解説が15分ほどあった。
すぐに後のナチスのユダヤ人迫害を思わせるのがわかる。こういう政治的な主題の映画は評価されるのであろう。
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