2019年11月21日木曜日

女盗賊プーラン(上下) 草思社文庫、2011

インドの田舎に生まれた女プーランがいかにして盗賊になったか自ら語る。また自首するまでの経緯を述べる。その後の刑務所内の生活、及び出所してからは簡単に触れられている。

ともかく読んで驚くのは女に生まれた、それだけでいかに酷い目に会うか、の事実である。いや女が劣等な境遇に置かれているのは世界共通ではないかと言われそうである。
しかし、このプーランは1958年頃の生まれ(頃というのは生まれた時から何も教えてもらっていないため)なのである。今生きていれば60歳くらいで、まさに現代の話なのである。19世紀の話ではない。戦前の話でもない。生きていればと言ったのは更生後、政治家になったが、40歳頃暗殺されたのである。

インドは遅れた国という印象が長い間続いていた。最近は経済成長が目覚ましい。そういう国全体の話でなく、今でも個々の人々の生活を見れば貧しい人も多く、偏見は抜きがたいのであろう。ともかくあまりに理不尽な男達の、勝手気ままな暴力に読んでいて呆れるばかりである。

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