2018年9月2日日曜日

たけくらべ 昭和30年

五所平之助監督、新東宝、95分、白黒、美空ひばり主演。

樋口一葉の有名な原作を元にした映画。美登里と信如の淡い恋が現実の前に潰えていく。「たけくらべ 映画 1955」の画像検索結果





明治28年の吉原界隈の下町。美空ひばり演じる少女美登里と近所の寺の息子信如は相思の間柄ながら正直にふるまえない。美登里の手が届かない百日紅を取ってやる信如も素直になれない。

信如の姉は妾に出されることになり、信如は父親にたてつく。美登里は姉の岸恵子が吉原一の花魁なのでカネに不自由せず、友達におごっているが、陰で女友達は美登里を我儘と言っている。その子供たちが集まる店のおかみが山田五十鈴で、かつては人気のあった花魁の落魄した姿である。

市川染五郎演じる金貸し屋の息子も美登里を好いている。年に一度の祭りの季節になる。毎年表町と裏通りの子供たちは争っている。今年の祭りで表町は幻燈をしようとする。その準備の最中に裏通りの子供たちがやってきて幻燈を滅茶苦茶にする。しかも信如が陰にいると聞いて美登里は驚き怒る。

その後美登里は信如と会わなくなる。雨の日、鼻緒が切れて直そうとする信如を、美登里は窓から見てその不器用ぶりをなじる。信如は京都の本寺へ行くことになる。美登里の姉は身体を痛める。美登里自身も吉原の遊女になる。吉原へ出る日、信如は玄関先に花を置いておく。美登里はそれを見つけ持っていく。遊郭へ入るため、どぶにかかった橋を渡る際、それを捨てる。

以前、同じ旧フィルセンターで観て久しぶりの鑑賞であった。記憶では信如は染五郎がやっていたと思っていたが違っていて、染五郎はあまり感心できない男の子の役である。
人の記憶は当てにならないものである。昔観たといって、わかっているつもりは危ない。

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