シェンキエビチの原作を基にした壮大な歴史劇である。ネロ皇帝時代のキリスト教徒の苦難が背景にあり、キリスト教徒である美女(デボラ・カー)とローマの軍団長(ロバート・テイラー)の恋物語が進む。といっても、ロバート・テイラーはローマ人なので全くキリスト教に無関心で、軍人らしく常に高圧的な態度で臨む。
ネロの暴政、というよりあまりに自分勝手で脳が足りない、善意に解釈すれば無邪気ともいえる態度は映画として観ていて面白い。
最後にキリスト教徒がローマに放火したという冤罪で、闘技場でライオンの餌食になる。デボラ・カーも危うい状況になるが、映画らしく処理している。こういう映画を観ると、つくづく1950~60年代のアメリカ映画の全盛期というものを感じる。深い思想、難しい理屈でなく、ただスペクタクルな映像でエンターテインメントをつくるといった姿勢はこの時代のアメリカ映画ならではと思う。
0 件のコメント:
コメントを投稿