ヘンリー・ジェイムズ原作の『ねじの回転』が原作。
主人公は田舎にある屋敷に家庭教師として赴任する。幼い少女と使用人だけの屋敷である。少女の兄は寄宿学校へ行っていたが、素行不良で返される。使用人から以前、勤めていた男女が不慮の死を遂げたと知らされる。女は自分の前任者である。
主人公は成人の男はいないはずなのに、塔の上で人影を見つける。それだけでなく、窓の向こうや部屋の中に、男だけでなく女も見るようになる。使用人に確かめると、事故死かと思われた男を、前任の家庭教師は激しく恋をしていたので、後追い自殺をしたとわかる。怪しい人影は彼らだった。
幼い兄妹は不審な行動をし、家庭教師には見えている人を見えないというので、家庭教師は彼らが自分をだまし、男と女に操られていると確信する。それを激しく問い詰めるので、少女は怯え泣き出すまでになる。主人公は男女から兄妹を守ろうとする。まず妹と使用人たちは屋敷から出す。少年と二人になった主人公は、彼を詰問し、操っている男の名を言わせようとする。追い詰め、最後に死んだ男の名を言わせる。もうこれで追い回す男女はいなくなった、と主人公は安心するが、見ると少年は死んでいた。
家のどこかにいる人か幽霊かが主人公を脅かす、古典的な恐怖映画の設定である。
あまりにも主人公が自分の知覚や信念に自信をもっていたので、起きた悲劇とも言える。かつて英米人は自分たちが絶対正しいと信じ、世界を植民地にし、また他国に干渉した。それらの行動に相通じるものを感じた。
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