2026年6月26日金曜日

ジュリアン・シモンズ『コナン・ドイル』 Conan Doyle: Portrait of an artist 1979

シャーロック・ホームズの生みの親、コナン・ドイルの伝記兼評論である。コナン・ドイルに少し関心があれば、ドイル自身はホームズ物が好きでなく、金のために書いていた、本当に書きたかったのは歴史小説だった、晩年の心霊主義への傾倒は知っているだろう。少なくとも自分でもそれくらいは知っていた。この本でそれにとどまらず知ったのは、ドイルは書斎の人とは程遠い活動家で、スポーツ万能、体格も180cmもあった。生涯に渡って常に積極的に行動し、ともかくヴィクトリア朝精神の権化で、それは偏見や独善、傲慢、狭量であったが、それ故の自信と勇気の人、愛国主義者であった。

晩年に息子を含む近親者が次々と亡くなり、そのあたりは不幸であった。心霊主義への関心はそれ以前からあったが、これらの不幸がドイル自身をより深まらせたと思う。本書は176頁の文庫ながら写真も多く、巻末に著作一覧及び索引まで載っている。ドイルの伝記では特に優れているのではないか。

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