2025年12月8日月曜日

今村均回顧録 日本人の自伝第12巻、平凡社 1981

陸軍大将今村等の回顧録の抄録である。今村は仙台の出身で、軍人になってからの回想を書いている。今の日本は軍人が社会の中枢の一部ではない。自衛隊はあるが、かつての軍人と今の自衛官では、かなり心情は異なるのではないか。自衛官の方は知らないが、この今村均という軍人の回顧録を読むと、今ではなくなった軍人の心構えや軍隊での実際が分かる。

およそ自叙伝は高齢になって昔を思い出して書くのだから、事実そのままでなく、その本人のかつての人生の意味づけが書いてあると言える。本書を読むと著者は軍人として快男児であった。また上司への理解や軍人としての心構えも感心する。もちろん、先に書いたように自分の意味づけであるから、正確さを云々してもしょうがない。それ以上に昔の軍隊の実際の一例が分かるのでこれは貴重な資料である。

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