若杉光夫監督、日活、55分、白黒映画。松本清張の『地方紙を買う女』の映画化。作家役は芦田伸介、女は渡辺美佐子が演じる。山梨の地方紙をとっている女がいて、連載小説を読むのが目的だというのである。それを聞いた作者の作家は、その女を知りたく思う。ところがいきなりとるのを止める。面白くなくなったと聞かされるが作家は納得できない。調べると、女が購読を止めた前日に男女の死体が山梨山中で発見されたとの記事があった。これを確かめるため、地方紙を購読していたのではないか。
作家は自分の小説を連載している雑誌社の女子を使い、その女(渡辺)を調べさせる。渡辺が働くバーに行く。渡辺に会う。帰りに新聞紙の切り抜きを忘れていく。渡辺は事件の記事の切り抜きを見て作家が探っているかと推測する。雑誌社の女子が調べた結果、渡辺は死んだ男にひどい目に会わされ、殺してやりたいくらいだったと言うが、自分は殺していないと言う。渡辺には亭主がいて、千葉の海岸で療養生活を送っている。
渡辺と女子は親しくなり、作家も一緒に三人で山中にピクニックに行く。渡辺が持ってきたサンドイッチを女子に勧めると、作家はそれを払いのけ、その中に毒が入っていると叫ぶ。渡辺は自分でサンドイッチを全部食い、毒など入っていないと証明し、そのまま一人で帰る。後に渡辺の亭主が自殺し、渡辺も追って自殺する前に作家に手紙を書く。実は毒が入れてあったのはジュースだった。それで疑いを持つ作家を殺そうとしていたと告白する。
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