2023年12月16日土曜日

ゾラの生涯 The life of Emile Zola 1937

ウィリアム・ディターレ監督、米、116分。文豪ゾラを主人公とした映画。ただし前半はゾラの生涯と作品を元に自由に脚色した作りで、ゾラの伝記映画とは言えない。後半というか中心はドレフュス事件への関わりである。ゾラがドレフュスを弁護したため、イギリスに亡命せざるを得なくなったなどはそのままだが、ドレフュスが冤罪に問われた原因である。

これはドレフュスがユダヤ人であったため、当時の欧州全体で普通であったユダヤ人蔑視から来ているのは周知であろう。ところが映画では陰謀に陥れられたというだけで、ユダヤ人という言葉は出てこない。ドイツで作られた映画なら出てこなくて不思議ではないが、アメリカの映画なのである。ナチスが戦争を始める少し前の映画で、ゾラが演説する自由や人権についての擁護が中心の思想なのであろうが、ユダヤ人という言葉が出てこないのは良く理解できない。

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