2023年12月16日土曜日

アーサー・ヘイリー『殺人課刑事』 Detective 1997

主人公はマイアミ警察の部長刑事。かつて神父だった。自分の捕まえた死刑囚から死刑の前に会いたいという連絡が来る。家族との予定があったが、やむなく死刑が行なわれる刑務所に向かう。死刑囚は連続殺人犯であった。

小説は過去に遡り、殺人事件とそれを捜査するマイアミ警察の話になる。連続して老夫婦が殺害される事件が起きていた。しかも殺し方が決まっており連続殺人犯であろうと思われた。更に現場に暗示するものを残しておく。神父だった部長刑事はそれがヨハネ黙示録から来ていると分かる。更に警察委員の夫妻が殺された。実はその軽擦委員の娘は警察に勤めていた。過去にその娘である警察官と部長刑事は関係があった。部長刑事の方から関係を打ち切ると相手は激怒した。相手の女は警察の中で昇進していく。部長刑事の上司となった。部長刑事を昇進させまいと女はあれこれ手を打つ。警察委員夫妻の殺しはこれまでと違っていた。それを部長刑事は訝しく思った。更に連続殺人は続き、到頭犯人を捕まえた。その犯人が死刑になる。部長刑事は死刑囚との最後の対談である事実を告げられる。死刑囚は殺人を認めたが、警察委員夫婦の殺人は自分がやったのでないと言うのである。代わりに別の知らなかった殺人を知らされる。死刑が執行された。部長刑事はマイアミ警察に戻り、上司に死刑囚が言った殺人を報告する。実際知らなかった殺人の犯人が死刑囚だったと分かる。そうなると警察委員夫婦の殺害は誰がしたのか。

別の事件が持ち上がる。富豪の家の婿が殺された。駆けつけると被害者の妻が家を仕切っており、部長刑事は殺人でなく自殺だったと突き止める。見栄で自殺でなく殺人にしたと分かった。この後、警察委員夫婦の殺人について真相が明かされる。部長刑事と関係のあった、今では遥か上の地位についている女が関係しており、過去の真相が明らかにされていく。(永井淳訳、新潮文庫、平成13年)

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