老モール伯爵には二人の息子がいる。カールとフランツである。今よそに行って不在のカールを弟フランツは破滅させて、自分が後を継ぐ算段である。カールからの手紙を父に伝える際、全く内容を変え、父を悪く言っていると話す。父親は絶望するがカールへの手紙を書くようフランツに言う。それもフランツは父がカールを非難していると嘘八百を書き、それを受け取ったカールは絶望に沈む。もはやこれまでと群盗を組織しその頭首になる。
カール自体は義賊として振る舞っていたが、部下にはひどい者もいた。故郷ではフランツが早く後を継ぐため、これまた嘘でカールが死んだと父に伝える。父は絶望する。なかなか死なない父をフランツは首を絞める。カールの恋人は今でもカールを慕っていたが、フランツはなんとしても結婚しようとするが、女は拒む。
カールは故郷に戻ってくる。父親は死んでおらず牢獄につながれていた。また恋人にも会う。弟フランツの悪だくみを知るが、自分も盗賊になってしまっている。カールは父親と恋人を自分から手にかけ、またフランツを成敗してから自首する。(宮下啓三訳、講談社世界文学全集17巻、1976)
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