2022年3月14日月曜日

ハウス・ジャック・ビルト The house that Jack built 2018

ラース・フォン・トリアー監督、仏独瑞丁、155分。連続殺人鬼をマット・ディロンが演じる。

映画は老人の声でディロンに過去の犯罪を尋ねるところから始まる。ディロンは当初建築家志望だった。最初の殺人。林の中を走っていたディロンは車の故障で困っている女(ユマ・サーマン)に呼び止められる。車に乗せ、工具の修理工場まで連れて行く。その後また女の希望で元の場所に向かう。女はぶしつけな発言を繰り返す。いきなり車を運転中のディロンは隣に坐っている女の顔を工具で殴りつけ殺す。女を倉庫に連れて行き隠す。

それ以降、ディロンは殺人を繰り返していく。その描写は猟奇的殺人をそのまま映しており、かなり凄惨である。一軒家の婦人殺し、年寄りを轢き殺す、母と幼い息子二人を狩猟の様に殺す。若い女の家で殺すと言って最初は本気にされなかったものの、相手は分かって逃げ出す。警官がいる。女は訴える。後からディロンも出てきてこれから殺すと言う。警官は本気にせず立ち去る。その後女を殺す。最後は数人の男を捕まえ、一発の銃弾で殺そうとするが、その銃弾がなく、銃器店に行って買ってこようとする。家はパトカーに囲まれる。警官たちが家を襲う。ディロンは映画の最初に出た老人の声の持ち主に導かれ逃れる。ダンテの『神曲』にならった地獄巡りをする。ドラクロアの絵画「ダンテの小舟」と同じ格好をする場面がある。ディロンは地獄の淵の崖を伝わっていくが、最後は燃えた溶岩の中に落ちる。映画の最後に流れる曲で「ジャック戻ってくるな」という台詞が繰り返される。

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