細野英延監督、東宝配給、92分。
テレビドラマが評判になったので作られた映画。テレビは見ていないので、映画だけの内容を述べる。主人公の少女(安達祐実)は孤児で犬と一緒にいる。ケーキを盗んで捕まる。周りの大人たちが可哀想と言うので、同情するなら金をくれとどなる。そこへ現れた一人の男。ケーキ屋に金を払って少女を引き取る。実はこの男は孤児を集め、サーカスの団長をしている悪党だった。
そこのサーカスに少年がいて妹と空中ブランコをしている。実際の妹ではないが同様に扱っている。その妹が病気になる。悪魔のような団長夫婦はなんとかしてやらせようとする。しかし妹は落ちて寝込む。少女が知り合いの医者を連れてくるよう犬に命令する。犬が戻った先では、その医者は留学中でいなかった。妹が寝ているので少女は空中ブランコの練習を始める。少女を助けるために手術が必要である。
少年の母親は亡くなっていたが、実の父親は政治家をしているので、初めて少年は訪ねて医療費を頼む。しかし政治家は自分の子供でないと言い断わる。政治家はこれから売り出そうとしているのに隠し子がいては困ると判断した。そのため、少女の知っていた医者が来てくれて手術をし、回復の見込みがあった妹を、注射で殺させる。最後には政治家も少年を助け、自分はサーカスの火事で焼け死ぬ。サーカス団長も死ぬ。少年は別のサーカスに移る。少女は犬と共に去る。
まるで明治時代の小説の映画化のような展開である。これほど現代的でない映画(無声映画でなくて)を観たのはあまりない。
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