サミュエル・フラー監督、米、113分。監督自身が経験した第二次世界大戦のアフリカ、欧州戦線での米兵の一団の戦いぶりを描く。主人公の軍曹はリー・マーヴィンが演じ、『スター・ウォーズ』公開後、それほど経っていない時期にマーク・ハミルが出ている。まさに戦場を描いた映画である。いわゆる戦闘の迫力は後のCGを多用した映画でないから、今観ると戦いの派手さでは物足りなく思うかもしれない。しかし戦争の悲惨さを見せる映画なのだから、手作り的な本作で十分狙いは達成されている。
敵兵との戦闘だけでない。母の死体を墓地まで連れていきたい少年、戦闘の後、戦車の中で出産する女から赤子を取り上げるところ、敵を追い払った後に見つけた餓死寸前の少年などが心に残る。最後の方でチェコの煉瓦倉庫のようなところで大量の死体を見つける。敵が処分した人間たちである。生き残りの敵兵を見つけたマーク・ハミルは、何度も何度も弾が空になってもまた充填し、敵を撃ち続ける。犠牲になった者たちの復讐か。
原題のbig red oneとは主人公たちの兵団の仇名で、大きな赤い1の字を徽章としているから。監督フラーが所属した実在の部隊である。
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