クレオパートルは戦死したと思っていた王が、敵国の王女ロドギュンヌと懇ろになっていると知る。王を殺す。ロドギュンヌは捕虜とする。双子の王子がいる。共にロドギュンヌに恋している。
クレオパートルは権力愛と、夫の王を虜にしたロドギュンヌへの憎悪が激しい。二人の息子にロドギュンヌを殺した者を王にすると告げる。ロドギュンヌも入れ知恵され、自分を愛する二人の王子に、クレオパートルを殺した者と結婚すると言い出す。一人の王子は嫌になって王の座もロドギュンヌももう一方に譲ると言い出す。
残った一方はロドギュンヌから愛されていると知る。放棄したもう一人の王子をクレオパートルは嫉妬によってロドギュンヌらを破滅に追い込もうとする。王子は拒み、クレオパートルに毒殺される。クレオパートルはロドギュンヌと愛されているもう一人の王子も毒薬で亡き者にしようとするが、失敗し自滅する。
夫や息子まで殺してもしがみつきたい権力欲、女への憎悪の塊であるクレオパートルはこれほど悪女という言葉がふさわしい人物はなかろうと思わせる。
伊地智均、竹田宏訳「コルネイユ名作集」白水社、1975
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