2019年3月26日火曜日

コルネイユ『シンナ』 Cinna 1643

コルネイユの5幕劇。

ローマ時代、政治家の父を皇帝オーギュストに殺された娘のエミリーは、皇帝に復讐を企んでいる。彼女に思いを寄せるシンナに皇帝暗殺を依頼する。
皇帝はシンナとマキシムという臣下を呼び、自らの進退について意見を聞く。自分に対する信頼を知ったシンナは皇帝暗殺の意志が鈍る。しかしエミリーの願いを聞き入れ実行しようとする。マキシムもまたエミリーに思いを寄せている。シンナを売り、皇帝に暗殺計画を知らせれば、エミリーを得られるとマキシムの奴隷は入れ知恵する。しかしマキシムは耳を貸さない。

奴隷は計画を皇帝側に告げる。エミリーとシンナは皇帝の前に呼び出される。エミリーは自分の計画でシンナは関係ないと庇い、シンナも自分の罪を引き受ける気でいる。マキシムも現れ、奴隷の企みであったと真相を言う。皇帝は凡てを許す。

この劇はモーツァルトの歌劇『皇帝ティートの慈悲』の筋に使われた。解説によればナポレオンは本作を高く評価していたそうである。
岩瀬孝訳「コルネイユ名作集」白水社、1975

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