主人公の軍人は第一次世界大戦中、一時的に帰郷する。川の船中、南仏で葡萄摘みに行く一家と知り合いになる。戦時中で北部での闘いを避け、南の方へ向かう者が多い。
ドイツ兵二人はベルギー人二人を殺して、その証明書でなりすます。彼らも葡萄摘み作業に加わった。そこでカネを調達しスペインへ逃亡するつもりである。
葡萄摘みをしている主人公はジプシーの母娘と会い、その夫が戦死したと知る。管理人にかけ合い、彼女も葡萄摘み作業に加わらせる。ここの葡萄園の主は戦争で失明した、元大尉である。ドイツ人はジプシー女に罪をなすりつけ、その間カネを取ろうとする。まず彼らは盲目の大尉の帽子から財布を盗み、それをジプシー女の籠に入れておく。紛失が発覚、騒ぎになりジプシー女が犯人とされ、馘になる。主人公の男は、ジプシー女に聞いて、彼女の潔白を信じる。
ドイツ兵は給料日に給料の袋を盗む。人が来たので隠れた場所が、空きの葡萄保存所で、隣に葡萄が発酵している。そのガスが降りてくる。有毒でありそのガスを吸って死ぬ。生前、毒ガスで敵をやっつけていたと自慢していた男である。
給料袋の紛失はジプシー女のせいとされ、憲兵に引き立てられる。男の死体が見つかり冤罪は晴らされる。
葡萄摘みをしている老人は別の町に住む、結婚している娘を訪ねていく。ところがそこで娘がドイツ兵の子を産んだとの噂を聞き、絶望に陥る。ここでかなり長い過去の回想になる。その娘は夫の出征中、家をドイツ兵たちに接収された。我が物顔で振舞うドイツ兵の眼をくぐり、夫が密かに帰宅した。ドイツ兵の情報を探るためである。その間部屋に隠れており、結果として子供が産まれたが、娘は秘密にしていたのであらぬ噂を立てられたわけである。
その夫も帰ってくる。きょうだいと自分の町を目指していると、絶望した父親に会う。娘が不義をしていたと思い込んでいたからだ。しかし夫に会い事実を知らされ孫ができたと喜ぶ。摘み取りが終わり、全員参加のパーティが開かれる。そこでもう一人のドイツ兵、唖を装っていたが、気分が良くなりドイツ語で叫び始め、捕まる。
連合軍勝利のニュースが知らされ、歓喜に包まれる。
第一次世界大戦中の映画であり、愛国と敵の悪が全面に出ている。フィルムセンターで以前観た。久しぶりの再見で随分長い映画と感じた。
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