有名なトーマス栗原による作品、米輸出用として製作されたそうである。前半のみ残存している。英語名はSanji Goto – The Story of Japanese Enoch
Aden「後藤サンジ、和製イノックアーデン」である。
主人公の後藤は律儀な会社員である。彼の勤める会社の会計担当は、強欲な男で濫費家の白人の女に入れ揚げており、かなりのカネを使っている。ある日彼は英字新聞で、米の後藤某が死亡し相続者を捜しているという記事を読み、後藤に知らせる。後藤は自分の伯父だという。アメリカへ行けば遺産がもらえるが、旅費がない。すると会計係は自分が旅費を立て替えてやる、しかし遺産の半分を寄こせと言う。後藤は承諾する。帰宅し渡米の準備をする。若い妻と赤ん坊がいる。会計係は安い切符を後藤の家に持ってくる。
後藤の妻を見て惹かれる。彼女に仕事を世話してやろうと申し出る。彼が入れ揚げている白人女がけちで給料を払わないため、女中は怒って辞めている。その後釜にする。
彼は白人女の要求を満たすため、会社のカネに手をつけていた。それが監査でばれそうになる。工面するため白人女のところへ行きカネを取り返そうとするも、もう全くない。彼女の胸の首飾りを見てそれを何とか取る。質屋か宝石屋へ持っていき、換金する。使い込みがばれないように慌てて会社へ駆ける。
妻や会計係に見送られ、米へ向かう船上、後藤がトランクを開けると愛犬の狆が出てきた。家で準備している際、犬が勝手に入り込んだのである。
後半がどのような展開か不明。
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