2018年10月25日木曜日

「白老アイヌの生活」「イヨマンデ」

いずれも国立FAの企画「個の紡ぐ物語」で上映された、かつてのアイヌの記録映画である。

「白老アイヌ」は北大教授等をつとめた八田三郎(慶応元年~昭和10年)の監修になる無声映画。大正13年、43分。国際会議用の英語の中間字幕版。白老コタンで撮影。アイヌの家庭生活、婚礼、葬儀、熊を殺す(後の『イヨマンデ』ではこれが主題)など。

「イヨマンデ」は昭和初期(6年頃)にスコットランド出身のマンロー(1863~1942)により撮影されたフィルムを昭和40年に編集、解説、音楽等つけたもの。
「白老アイヌ」でも撮影されていた熊殺し(イヨマンデ)を記録した映画。
アイヌでは熊は(他の動物でも)神とみなしていた。元の国では服を着ていた。しかし人間界に来る時は熊の格好をしている。それを神の国に帰してやるという儀式である。この儀式をイヨマンデと呼ぶ。檻に閉じ込めてあった子熊を出す。縄で引っ張り、弓矢の標的にする。弱ったところで丸太を首の上下にはさみ、大勢が上の丸太に乗っかり殺す。その後は皮を剥ぐなど解剖をする。その後は宴会で食べたり、頭部を掲げたりする。三日間にわたり行なう、アイヌで最も重要な儀式とされた。動物愛護団体から抗議がきそうであるが、今では完全に過去となった貴重な記録である。

「白老アイヌ」でも「イヨマンデ」でも、アイヌの人々はあの写真通りの、アイヌそのままの衣装を着ていた。

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