2018年10月19日金曜日

コマローヴィチ『ドストエフスキーの青春』中村健之介訳、みすず書房、1978年

内容は「ドストエフスキーの青春」「ドストエフスキーの「世界全体の調和」」「ドストエフスキーのペテルブルク・フェリエトン」の三篇から成る。
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「ドストエフスキーの青春」ではデビュー以降、ペトラシェフスキー事件によりシベリヤ流刑となる以前の、ドストエフスキーの夢想家時代の解説である。

「ドストエフスキーの「世界全体の調和」」は、彼の理想であった全人類の兄弟的団結による調和は、キリスト教と相いれるものか。むしろジョルジュ・サンドの小説のようにドストエフスキー初期以来のユートピア社会主義思想との関係が深いのではないか。ドストエフスキーの転向問題を考えさせてくれる。

「ドストエフスキーのペテルブルク・フェリエトン」とは、彼の評論に多いフェリエトンという形式について論じる。フェリエトンとは雑録とかコラムの意味である。

ドストエフスキーについて考える際、参考になる本であろう。原著は1924年(前2篇)、1930年に公表された。

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