溝口健二監督、松竹京都映画。田中絹代主演。
女性解放運動家として知られた福田英子の自伝『妾の半生涯』を自由に脚色した映画。
明治10年代、岡山の教育家の家に生まれた田中は、当時有名だった女論客(三宅邦子)が郷里に来た際、すっかり感銘して自由民権の思想に同調する。
恋人の小沢栄太郎が上京する際、港へ見送りに来ると、先頃家の下女をやめた水戸光子が売られていくと知った。なんとか助けたいと家に戻るものの、どうにもならない。
やがて田中は小沢を慕って上京する。小沢の下宿へ行き会うと、むしろ迷惑顔される。
小沢が勤める自由党の事務所へ行き、大物の菅井一郎に会い、仕事をもらう。その後小沢が政府側の犬と知り、彼と別れる。菅井と結婚する。
秩父の製糸工場のストへ仲間と駆けつける。そこではあの水戸光子が働いており、工場側に反抗して放火した。その場に居合わせた田中も犯人の一人と間違えられ、逮捕される。入獄中、小沢が来て自分の言いなりになれば出獄させると言うが聞かない。
憲法発布の恩赦で出獄する。菅井と共に運動を進めていくつもりの田中は、水戸も同居させる。しかし菅井と水戸が関係を持つようになる。菅井を難詰するが開き直られ、やはり一人の男にすぎなかったと悟る。
田中は自ら運動を勧めていくつもりで汽車に乗る。すると水戸も同乗しており、一緒に連れていってくれと言う。
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