阪大教授橋本幸士による超紐理論の入門書。
形式は、女子高生が自分の父親である物理学者から超紐理論の講義を受ける、というものである。もちろん父親の物理学者は著者を想定している。
女子高生が疑問を持ち、父親から毎回10分の講義を聞き、それが1週間続く。講義は対話形式で進められ、娘の感想が挟まっている。更に著者自身の補足的説明も講義のあとについている。
異次元という切り口で超紐理論を説明しているところが特色か。
著者は雑誌Newtonの超紐理論の入門的説明で知った。それでこの本を読んでみたわけだが、それほど易しくない。素人であるはずの娘は理解が早く、文字通り無知な者が読んだとしてここまで直ちに理解できるか。
補足的な説明には専門的事項が書いてある。ある程度の知識を持つ者を対象としている。
世に入門書と称しておきながら、初心者には難しい著書は結構多い。これは同業の専門家を意識しているからだろう。講義など話す際は、分かりやすくするため厳密さに欠けたことを言っても差し支えないが、本として出す際はかなり神経を使うだろう。それで分かりにくくなる。
本書もちょっと見ほど簡単な本でない。
0 件のコメント:
コメントを投稿