2023年3月16日木曜日

ルイス・フロイス『ヨーロッパ文化と日本文化』岩波文庫(1991年)

信長秀吉時代に日本で宣教し、同時代の記録を残しているので有名なフロイスによる日欧習俗比較論である。原著は1585年に書かれた。

内容は「男の風貌と衣服」「女とその風貌、風習」「児童とその風俗」「坊主とその風習」「寺院、聖像、宗教」「日本人の食事と飲酒」「日本の武器」「馬」「病気、医者、薬」「日本人の書法、書物等」「家族、建築、庭園等」「船」「劇、舞踏、歌、楽器」「以上以外」に分かれる。我々ではこうだが、日本人はこうである、といった対比で論じられているものがほとんどである。何しろ16世紀後半の記述である。日本人はこうしている、と書いてあっても現在の我々には、全くあずかり知らない内容が多い。書いてある対象を知らない、あるいはそんなことをしていたかと思う場合が多い。また、たまたま目にしたものをそこの全体に当てはめるなどは、知らぬ外国に対して往々にしてするものである。そういった疑問は例ごとに注釈があり、解説している。

自分の国であっても歴史には政治状況のようなものばかり書いてあるので、こういう風俗関連は分からなくなっているのである。

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