2023年3月26日日曜日

春高楼の花の宴   昭和33年

衣笠貞之助監督、大映、111分、総天然色、鶴田浩二、山本富士子主演。

琴の家元の娘、山本富士子には相思の鶴田浩二がいた。鶴田はいざこざがあって今は身を隠している。その間、山本は会の理事長である上原謙と婚約した。九州で琴の演奏会があり、そこで山本は鶴田に再会する。鶴田は山本に告白をし、抱き合う。
東京に帰ってから山本と上原の結婚式当日。またも現れた鶴田は、ダスティン・ホフマンよろしく花嫁を攫って逃げる。こちらの映画の方が十年早いが。花嫁を取られた上原は呆れ怒る。
鶴田と山本は一緒になれてうれしいが生活の当てがない。前から山本に仕えていた若い女が助けてくれる。下品な興行師が二人の居場所を尋ねあて、やってくる。劇場に出てくれと。二人で出た場所はストリップ小屋であった。観客の野次の中、二人で琴を演奏するが、鶴田は我慢できず喧嘩を始める。挙句の果てに怪我をする。
入院した鶴田を山本は世話をし、自分は出かける。この後、上原が病院に来る。上原は鶴田に、山本は費用を稼ぐためあのストリップ小屋に出ていると告げる。驚く鶴田に上原は、山本を実家に帰してやれと頼む。さすがの鶴田も、のまざるを得なかった。
山本は琴の発表会がある。そのための曲を鶴田は作曲していた。上原が奔走したが、やはり鶴田を許してやるわけにはいかないと関係者の意見だった。会場で山本は演奏する。それを鶴田は上の方の席の脇で観ていた。会が終わり、山本の父親である家元はもうこの流派は自分一代で終わらせる、山本は自由にさせてやるとみんなの前で公表する。自由になった山本は鶴田を追う。

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