フォン・ドナースマルク監督、独、132分。
1984年の東ドイツが舞台。国家秘密警察に勤める役人が主人公。反体制活動をしているとみられる作家宅に盗聴装置を仕掛ける。それで凡てを盗聴し、報告するのが主人公の役目である。主人公は組織の長が国に裏切り行為をしていると分かる。直属の上司に話しても伏せておくよう言われるだけである。自分たちの身に不利が生じる可能性が高いからだ。主人公は自分の仕事の責任者たちの言動に痛く失望する。
見張っている作家の愛人の女優は国家に秘密を売り、高官の情人となっている。それを主人公は作家に間接的に知らせる。それでも作家は女優を愛し続ける。作家の愛情を知った主人公は同情し、盗聴監視をやっているように見せかけ、実際は盗聴で知った事実を上司に知らせなくなる。愛人の女優が逮捕され、タイプライターの隠し場所を主人公は吐かせる。作家宅に乗りこんだ警察は隠し場所にはないと分かる。女優は家から飛び出し、トラックに轢かれる。主人公は、タイプライターは自分が隠しておいたのに、と死に際の女優に告げる。流石の無能の警察上司も主人公を職から外し、閑職に追いやる。
4年後、ベルリンの壁は崩れる。数年後、作家はなぜ自分が監視されていなかったか、と高官に尋ねると、凡て監視していたという返事である。過去の自分に関する資料を見た作家は、ある人物が自分を庇っていたと知る。今は配達夫をしている主人公を車から見る。後に作家は本を上梓し、そのはしがきに主人公のコード名を書き、謝辞を捧げている。
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