2022年4月29日金曜日

SADA 戯作・阿部定の生涯 平成10年

大林宣彦監督、松竹、132分、黒木瞳主演。

猟奇殺人事件の犯人、阿部定を描いた映画だが、事件よりむしろ阿部の生涯の映画化と言うべきである。少女時代を過ぎてまもなくの頃、大学生から暴行を受ける。助けてくれた別の大学生に好意を持つが、その大学生はもう会えないだろうと言ってどこかに去ってしまう。癩病だったのである。
芸者になる。あちこち居場所を変える。地方の有力者に好かれ、後々まで援助を受けるようになる。料理屋に勤めた際、そこの主人であった被害者と会い、相思の二人は一緒に逃げ出す。待合にいた時、阿部は事件を起こす。
全体として阿部が供述で過去を振り返る形で、ところどころ、事件後の阿部(黒木)の姿が出てくる。被害者をお笑い芸人が演じているので興ざめした。
癩を映画中、ハンセン氏病と言っているが、これは戦後の呼び名である。昔を映画化するならその時代の言葉を使うべきである。

0 件のコメント:

コメントを投稿