岡本喜八監督、ATG、116分、白黒映画。
終戦近い時期、特攻に向かう兵士を描いて強烈な反戦映画となっている。最初は魚雷に乗って海に浮かんでいる男の場面。遡って説明になる。主人公の兵士は上官ににらまれて訓練も裸でやっている。特攻行きが決まる。当時特攻隊員は神様と呼ばれたらしい。最後の外出。古本屋に行く。笠智衆が主人役。厚い本を捜す。聖書があった。只だと主人は言うが、用を足すのを手伝ってくれという。B29のせいで両腕がなくなっていた。女を買いに行く。ドタバタがあって若い娘を知る。女郎屋の主人で、親や妹は空襲で死んだと言う。
明くる日太平洋岸の砂丘。米軍上陸に備えて地雷を埋める役だった。そこで女や子供の兄弟を知る。後で、あの女郎屋の娘を初め、知っていた者たちが空襲で亡くなったと聞く。米軍に体当たりする魚雷型兵器に乗る。そこで敵が来るまで過ごす。冒頭の場面に続く。ドラム缶で浮かんでいるうちに終戦になったが知らない。戦後になって汚物処理の船がやって来て、それで終戦を知る。繋いで連れて行ってくれと頼む。船に曳航される。綱が切れてドラム缶はまた海に漂う。23年経つ。この映画が作られた当時。海辺は海水浴を楽しむ人でいっぱい。ボートがドラム缶の周りを回って去る。そのドラム缶の中では白骨化したあの兵士がいた。
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